ども、杉野です。
今回はシュタイナー教育で有名なルドルフ・シュタイナーの名言を紹介します。
一般の名言サイトでは紹介されていないものばかり、かつ引用元もしっかり載せておきますので、気になったらぜひ原本を手にとって読んでみてください。
感覚で享受できるものだけを享受しようとする人は、人生の美味を知らない。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『自由の哲学』 P19)
こういう人、ホントに多いと思います。
僕がいつも定義の話から始めるのは、言葉を感覚ではなく理性で捉えるためです。
そうしないと、シュタイナーが言うように、人生の美味を知らずに終わっちゃうんですよ。
これは凄くもったいない。
神秘主義や霊性(スピリチュアル)にまつわる本をいっぱい出しているシュタイナーが、理性を重視しているという点にぜひとも注目してください。
エーテル体とかアストラル体とか、ふわふわしたことを言っているように見えて、彼の足元にはいつも理性がどっしりと座っています。
ホンモノであればあるほど、理性をないがしろにはしないのです。
すべての学問は、もしそれが人格の存在価値を高めるために努力するのでなければ、無用な好奇心の満足に役立つ者でしかないであろう。学問が本当の価値を持つのは、その成果が人間存在にとって意味あるものとなったときである。魂の個々の能力を高めることではなく、われわれの中にまどろんでいるすべての能力を発展させることが個体の究極目的なのである。
知ることは人間本性全体のあらゆる面での発展に寄与するときにのみ、価値を持つ。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『自由の哲学』 P20)
これも同感せざるを得ません。
と同時に、僕にとってはやや耳が痛い言葉でもあります(苦笑)
というのは、一時期(というか、つい最近まで)僕は知的好奇心を満足させることに突っ走っていたからです。
その道を経たことによって、今こうして多少なりとも役に立つ記事が書けるというのはあるんですが、それまではひたすら勉強のための勉強を楽しんでいる自分がいました。
言葉では人格が云々ということを言いつつも、やってることは頭でっかちになる作業だけ。
僕はそのせいで結構長い間苦悩することになってしまったので、このシュタイナーの言葉を胸に、僕の二の舞にはならないように気をつけてください。
直観は知覚だけでは不十分な現実部分をわれわれのために補ってくれる。物事に対応する直観を見出す能力のない人には完全な現実は閉ざされ続ける。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『自由の哲学』 P108)
ここで使われている言葉が「直感」ではなく「直観」であることが重要です。
彼はやっぱりここでも理性の重要性を説いています。
直観とは、理性(論理)と感覚の両方を踏まえた先に得られる何かだからです。
考えて考えて考えて・・・ここから先はもう理屈ではどうにもならない。
そうなったときに出てくるものが直観です。
つまり彼は、理性を正しく使えない人は現実を正しく見ることもできない、と言っているワケです。
彼の言う現実にはおそらく超感覚的世界(霊性)も含まれていると思います。
ふわふわした抽象的で曖昧な思考では、現実を見ることはできません。
がんばって理性を磨きましょう。
神秘学は、すべての人の魂に根をはることのできる、二つの思考内容から芽生えるのでなければならない。
(中略)二つの思考内容とは、第一に、可視的な世界の背後には不可視な世界があり、はじめは感覚とその感覚に結びついた思考にとって隠された世界であるということ、第二に、人間の中にまどろんでいる能力を開発すれば、この隠された世界に参入することが万人にとって可能であるということである。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『神秘学概論』 P41)
これは東山魁夷の
「平凡なものを緻密に見れば、非凡なものが見えてくる」
という言葉と似たような意味も含まれますが、シュタイナーの場合はもっと深いことを言っています。
何がどう深いかは魔術や錬金術の話を持ち出さないといけなくなるのでここでは割愛しますが、平たく言えば「ホンモノの宇宙の法則」のようなものだと思ってください。
そういうものが感覚や思考(理性)を鍛えることによって見えてくる、と彼は言っているワケです。
ここで言う思考には論理的思考力(推論力)なども含まれてきます。
ロダンが言ったか、誰が言ったかは忘れましたが、「手の周りを描くことで手を浮き彫りにする」のと同じように、スピリチュアル以外のものを見られるようになることで、スピリチュアルの領域が浮き彫りになってくる。
そういう話です。
高次の観点から見れば、個人の幸・不幸と全世界の運・不運とは密接に関係し合っている。このことは、まさに真の神秘学的考察を通して、確信できるものになる。
自分の力を正しい仕方で発揮できない人は、世界中のあらゆる存在に害を加えている、と洞察するようになる。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『神秘学概論』 P50)
これはまさにシュタイナーが「引き寄せの法則」のことを言っている部分です。
僕はまだこの法則を理屈で説明できるところまでは理解が及んでいないんですが、幸せに幸せが引き寄せられるというのはなんとなく分かります。
僕の目下の目標は、なぜ引き寄せが起こるのかを誰でも納得がいくように説明することです。
それが分かったらセミナーをやりますので、よろしく(笑)
自分の欠点や弱点を克服する道はただ1つ、それを正しく認識することである。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』 )
今までいろんな苦労を乗り越えてきた人なら、この言葉は心に染みるんじゃないでしょうか。
少なくとも僕は染みます(笑)
これはホントにそうだと思うと同時に、ホントに難しいとも思う。
自分の何が悪いかが分かってたら(自覚できてたら)、失敗なんてしないですからね。
でも逆に言えば、失敗は欠点を正しく認識するために必要なプロセスだということです。
失敗を経験せずに自分のすべての欠点が分かるのは天才しかいません。
僕らはどこまで行っても凡人ですから、諦めてたくさん失敗しましょう(笑)
正しい知識は、それを敬うことを学んだときにのみ、自分のものにすることができる。
(引用元:ルドルフ・シュタイナー著『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』 P26)
知識というのは、その知識がどれぐらい凄いことを表しているかを知っているか否かで価値が決まります。
簡単に言えば、実感しているかどうか、です。
例えば僕は最近(偽りの自分に対する)「本当の自分」の「本当」が何なのかを知りました。
これは実感レベルで知った、つまり僕はその「本当」を詳しく説明できるし、実践もできるということです。
しかしほとんどの人は「本当」が何を意味するのかを知らないだろうし、「本当の自分になる」などと言っても、具体的に何をすればいいのか分からないと思います。
それはシュタイナーの言う「正しい知識」ではありません。
「本当」という身近な言葉の意味ですら答えられない。
正しい知識を得るのは、それぐらい難しいことなのです。
今回紹介した名言は
の3冊から引用しました。
個人的に『いかにして超感覚的世界の認識を獲得するか』はこの中で一番実践的で読みやすいと思いますので、よかったら読んでみてください。
こんにちわ、杉野さん
昼休みに貴方のところにお邪魔しています。わたしは、このあと大変な人事の面接を控えて、心を落ち着かせたくてさまよっていたのです。北海道の妹背牛町で3年前から町長をしています。大学時代後半からシュタイナーに傾倒してはや、40年が経とうとしています。深く心を鎮めたいとき
常に立ち返る人物です。コロナによってさまざまな人生との向き合い方が問われるという意味では、怖れも含めて自分を見つめなおす時間を貰えていると思います。
田中さん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、コロナをキッカケにして
自身の人生を向き合っている方は多いと思います。
個人的にはシュタイナーの『自由の哲学』あたりが
その一助になるような気がしています。