ども、杉野です。
僕らは毎日意識しないところで推論を行っています。
天気予報を見て「今日は傘はいならいな」と思うのも推論だし、子供が道に飛び出して「危ない!」と思うのも推論です。
推論力(推理力)を高めていくと、シャーロックホームズやコナンのように
なんでそんなこと分かるの!?(; ・`д・´)
というようなことが分かるようになります。
メンタリストDAIGOが相手の心を読めるのも、相手の言葉や表情をつぶさに観察して心の状態を推論できるからですね。
ただ僕らがDAIGOと同じことができないように、この能力は普通に生きてるだけではなかなか鍛えられません。
そこで今回はまず3種類の推論を解説し、それぞれの推論に合った推論力の鍛え方を紹介しようと思います。
推論力は人間関係を改善するのにも役立つものなので、そういった方面で悩まれている場合もぜひ参考にしてみてください。
まずは定義から始めましょう。
推論とは、ある事柄を元にして、その事柄にまつわる可能性を想像し論ずることです。
この推論によって組み立てられた全体像(真実へ至るまでの道のり)を推理と言います。
例えばあなたが一人暮らしをしていたとしましょう。
ある日、冷凍庫を開けると、そこには買った記憶のないお肉が入っていました。
ここであなたは考えます。
[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”あなた”] こんな肉、買った覚えないぞ・・・もしかしたら母さんがきたのかなぁ[/speech_bubble] [speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”あなた”] あ、そういえば前に「そのうち遊びに行くから」って言ってたっけ[/speech_bubble]
このとき、あなたは冷凍庫にお肉があるという事柄を元にして、そこから「母親が来たのかもしれない」という可能性を想像し、それを「そのうち遊びに行く」と言っていた母親の言葉を根拠に(心の中で)論じています。
母親に確認して「行ってないわよ」と言われた場合、僕らはさらに別の可能性を想像します。
もしかしたら買ったのを忘れていただけかもしれない、友達が何かのお礼にこっそり入れて帰ったのかもしれない、神様がプレゼントしてくれたのかもしれない、という風に。
これが推論(正確にはアブダクション)です。
推論(厳密には論理的推論)には
という3つの方法があります。
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、どれも僕らが普段からやっていることです。
1つずつ解説していきましょう。
演繹とは、ある抽象的な事柄から具体的な事柄を推論することです。
例えば自動車はガソリンで動くという抽象的な事柄を知っていれば、そこからカローラはガソリンで動く、ベンツはガソリンで動くなどの具体的な事柄を導くことができます。
愛しているという抽象的な事柄からは、プレゼントをあげる、キスをする、早く帰宅するなどの具体的な事柄が導けるかもしれません。
今話している「例えば」というのも演繹です。
演繹という抽象的な事柄から、自動車や愛という具体的な事柄(例)を導いてますよね?
このことからも分かるように、
演繹ができなければ僕らは何も理解できません。
自動車が具体的にどういうものかを説明できない人は、自動車を理解していないのと同じです。
つまり演繹とは、僕らが理解と呼ぶものの1つなのです。
帰納とは、ある具体的な複数の事柄からそれらに共通する抽象的な事柄を推論することです。
演繹の逆ですね。
自動車の例で言うと、ステップワゴンはガソリンで動く、カローラはガソリンで動く、ベンツはガソリンで動くなどの具体的な事柄から、自動車はガソリンで動くという抽象的な事柄が導けます。
大阪のAさんは気性が荒い、大阪のBさんも気性が荒い。
この具体例から、大阪の人は気性が荒いという抽象的な事柄を導くことも可能です。
ただ今の「大阪の人は気性が荒い」という帰納はちょっと強引な感じがしませんか?
AさんとBさんの2人だけを見て大阪の人(全員)が気性が荒いと言ってしまうのはどうなのか、と。
それはまったくその通りで、帰納にはそうやって事実を歪める危険性があります。
日本に来ている中国人観光客だけを見て「中国人はマナーが悪い」と決めつけるのも歪んだ帰納の1つです。
「最近の若い奴は・・・」というのも同じ。
帰納は正しく使えば有効な考え方ですが、僕らが無意識的に行う帰納の多くは偏見による画一化です。
その偏見にとらわれないためにも、あとで話す鍛え方を参考にして、意識的に帰納を使えるようになりましょう。
僕らが一般に推論(推理)だと思っているのは、このアブダクションです。
アブダクションとは、ある結果(結論)からその結果が成立するための条件を論理的に導くことです。
例えば殺人事件で被害者の首にロープの絞め跡があった場合
というアブダクションが成立します。
ここから
というアブダクションも成立するかもしれないし、さらに言えば
というアブダクションも成立しそうですよね。
こういったアブダクションの総体が推理です。
『シャーロック・ホームズ』シリーズや『名探偵ポワロ』シリーズは、巧みなアブダクションで見る者を魅了しています。
漫画でも『名探偵コナン』や『金田一少年の事件簿』は当然として、『ハンター×ハンター』、『進撃の巨人』、『ハイキュー』なんかもアブダクションの要素がたくさん盛り込まれていますよね。
アブダクションは推論力を鍛えれば誰でもできるようになります。
相手の心を読んだり、面白いストーリーを考えたりすることに興味があるなら、ぜひ次の推論力の鍛え方を読んでみてください。
推論がどれほど重要なものかが分かったところで、今度は推論力の鍛え方です。
推論力は一朝一夕で身につくものではないですが、鍛えれば誰でも身につけることができます。
ここを面倒臭がらずにいかに楽しんでやれるかが重要です。
最初はキツイと思いますが、ちゃんと練習すればちゃんと能力は伸びますので、ここから紹介する方法を試してみてくださいね。
演繹の推論力を鍛えるには、抽象的な事柄を具体的な事柄に置き換える練習をするのが有効です。
個人的におすすめなのは、難しめの本を読んで学んだことを具体な例に置き換えて誰かに教えること。
本じゃなくても、ニュースで知った難しい言葉を調べて、小学生でも分かるぐらいかみ砕いて解説するというのでもいいと思います。
イメージとしては池上彰です。
彼の解説って分かりやすいですよね?あれぐらいの解説を目指しましょう。
自分一人でがんばるのは大変ですから、自分が調べたり考えたりしたことをネットにアップして他人と共有するのが個人的にはおすすめです。
その文章を読んで誰かが喜んでくれれば、またがんばろうって思えますからね。
自分の興味のある分野でいいので、色々調べて自分なりに具体化して解説してみてください。
ちゃんと演繹ができて内容が伝わっていれば、かならず誰かが喜んでくれます。
帰納の推論力を鍛えるのに有効なのは要約です。
ビジネス書のおいしいところだけを自分なりに要約してみるとか、セミナーや授業で習ったことをまとめてみるとか、そういったことをやれば帰納はできるようになります。
ややこしいことや難しいことほど要約を求めている人は多いので、それを代わりにやってブログにアップしておけば自分の推論力も鍛えられると同時に他の人にも喜んでもらえます。
一石二鳥ですね。
帰納のイメージは目次を作る感じです。
この記事で言うならここまでの
というのが要約になっていますよね。
難しいことを考えずに、自分が学んだことや調べたことの目次を作るんだ、という感じでやってください。
それをやっていれば気付いたときには帰納ができるようになっていますので。
アブダクションの推論力(推理力)を鍛える場合は、服装などの容姿から相手の職業を当てる、というのをやるといいです。
これはシャーロック・ホームズが勧めている方法でもあります。
たとえば見知らぬ人と出会ったら、その人物の経歴や職業を一目で見抜くことを訓練すべきだ。
こういう訓練は、つまらないことに思えるかもしれないが、そうすることが観察力を鋭くし、どこに目を向けるべきか、何を見るべきかを教えてくれるのだ。
(引用元:マリア・コニコヴァ『シャーロック・ホームズの思考術』 P110-111)
やってみれば分かりますが、これ、めっちゃ難しいです(笑)。
僕もやってはいますが、全然見抜けるようにならない。
でもたしかに効果はあって、相手のことを細かく観察する能力は高まってきています。
例えば相手の指先。
ここがカサカサになっていたり皮が分厚くなっていたりしたら、その人は素手でやる仕事をやっている可能性があります。
鉄工所や木材加工のような仕事をしているのかもしれないし、はたまた畑仕事や工芸品を作るような仕事をしているのかもしれません。
これ以上は僕もまだ見抜けないですが、いろんな細かい点が見えることによって想像が湧きやすくなったのは確かです。
電車でスマホのゲームをやっている暇があるなら、目の前の人を見てこういった練習をする方がはるかに有意義だと思います。
これもよかったら試してみてください。
推論には
という3つの種類があり、この3つの推論力はそれぞれ
という訓練によって高めることができます。
推論力を高めれば相手の心を見抜いたり、それによって恋愛やビジネスを発展させやすくなったりすることも当然あるでしょう。
僕らが幸せになる上で大事なのは人間理解です。
この人間理解を支える1つ柱が推論であるということを覚えておいてください。
ありがとうございました。
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